「忍耐しなさい」 08.11.30
ヤコブ 5:7〜11
待降節(アドベント)になりました。この季節にキリスト教会
では、主イエスの誕生されるクリスマスの祝いに備えると
同時に、主イエスが再びおいでになる終末に心を向け、
それに備えました。
御言葉は、「主が(再び)来られるときまで忍耐しなさい」と
語りかけてきます。ヤコブの手紙が書かれた当時の教会は、
迫害を経験していました。信仰者の歩みには忍耐が求められる
ことがあります。主イエスの両親となるヨセフやマリアも、クリスマス
前の日々には、不安や戸惑い動揺を抱えながら、ある種の忍耐を
しながら歩んでいたことでしょう。
忍耐して歩む際に「互いに不平を言わないように」と勧められます。
不安や辛さは、人に愛を見失わせます。互いに支え励ましあう
よりも、非難し責めあう心が生まれてきます。迫害下の教会でも
そのようなことがあったのでしょう。「裁く方が戸口に立っておられ
ます」と言われます。これは、怒られるから注意しなさいということ
ではありません。裁く方とは、すべてを理解してくださる主イエスです。
あなたのすぐ側に、辛さや、苦悩を知っていてくださる方がいると
いうことです。マリアは、「このはしためにも目をとめて下さったから
です」と主を讃美しました。信仰者は、自分が孤独でないことを知る
べきです。そこで、不平から解き放たれます。主から、讃美の言葉と、
慰めあい励ましあう愛の心が与えられるでしょう。
ヨブの忍耐のことが語られます。ヨブは忍耐の中で、真実に神さまと
出合っていきました。忍耐し、主にすがるように祈り求めることで、
確かに自分が神さまと向き合っていることを実感したのです。
神さまと確かに出会っていることを体感しながら生きられる
ことは、とても幸せなことです。
初代の信仰者たちもそのようにして、主と共にあることを体感
しながら歩みました。
私たちも、そのような歩みを送ることができます。
この季節、クリスマスに備え、同時に終末に備える私たちの
歩みを整えていきたいと思います。